物語の中で出会い、手で使ったしくみを、いつでも引けるように並べました。どれも最初から開けます。
ITILの話は、どの高さの話をしているのかを見失うと、急に分からなくなります。この図鑑は、いちばん外側から順に内側へ降りていく形にしました。
ITIL 5 Foundationの試験では、個々のプラクティスの中身は問われません。押さえるのは「プラクティス=資源のまとまり」と、一般管理/プロダクトとサービスの管理の2つのグループです。この図鑑は、試験のためというより、職場で使うための引き出しです。
しくみの名前を押すと、いちばん下の段に中身が開きます。
押すと、そのしくみの中身が下に開きます。
一般的な経営管理から取り入れたしくみ。ITIL 4の分類です。
第1部 第10話で、開発チームのリーダーのうしろのもやすけを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:作ったものが、会社のどこにどうつながって動くのか、見えないまま渡すこと
目的:組織を作っている要素とそのつながりの全体像を持ち、複雑な変化を構造的に、機敏に進められるようにする
要望は、全体図に置いてから比べる
注文アプリを作ったベンダーが「できました、あとはよろしく」と言う。公開は来週
アーキテクチャ管理の目で、公開の前に何をするか
つながりの全体像を見て、慎重に出す所と速く出せる所を分けるのがこの仕事。仕様書との突き合わせはテストの役目。公開後に構成を調べるのは、止まってから知る後追いになる
第1部 第6話で、総務の担当者のうしろのくうらんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:預けた先で事故が起きたとき、確かめていなかった場所が自分の持ち場だったこと
目的:組織がリスクを理解し、うまく扱えるようにする。続くためにも、価値を出すためにも欠かせない
地図に置いたリスクには、持ち主と次に見る日を書く
現場が気に入った候補Aは安い。ただ、個人情報の覚書は結べないと返してきた
リスク管理として、まず何をするか
リスクはなくすものではなく、理解して扱うもの。すぐ外す案は、補える穴かどうかを確かめていない。規約の写しを取る案は、増えるリスクを比べないまま受け入れている
第1部 第9話で、メンバーのうしろのあとでを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:書いた改善が、「いつか」のまま積もっていくこと
目的:製品・サービス・プラクティスを少しずつ良くし続け、変わっていく事業のニーズに合わせる
34分を測り、1枚にして、19分を測り直す
改善の一覧は50件を超えた。誰も手を付けず、書く人もいなくなった
継続的改善として、最初に何をするか
7ステップは今を測り、目標を決めて小さく試し、測り直す。一斉に片付ける案は反応を見られず、手も回らない。その場で直す案は、何が効いたか分からず思いつきの改善が乱立する
第1部 第11話で、総務の担当者のうしろのくうらんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:何を預けてはいけないかが決まっていないまま、便利なものが先に広がること
目的:事業を続けるのに必要な情報を守る
止める前に、後任へ渡す。それがいちばん効く守り
メンバーが、口座番号の入った依頼メールをそのまま生成AIのチャットに貼っていた
情報セキュリティ管理として、何を置くか
事故は、使い方の決まりがないから起きた。全面禁止は守りすぎで、抜け道を探す人を生む。誓約書は一人を責めるだけで、別の人が同じことをする。決まりと確かめ方を組で置く
第1部 第11話で、経理部長のうしろのもやすけを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:どの答えが正しいのか見分けがつかないまま、部下がそれを信じて動くこと
目的:組織の情報と知識を、効果的・効率的・便利に使える状態に保ち、良くしていく
リーダーの頭の中を、窓口のAIが読める記事にする
窓口のAIが3年前の手引きどおり「会食は一人5,000円まで」と答え、若手が信じた
ナレッジ管理として、何を直すか
AIは読ませたものを疑わない。モデルを替えても、古い手引きを同じ自信で答える。注意書きは確かめる手間を利用者に戻すだけで、正しい答えがどこにあるかは決まらない
第1部 序で、経理部長のうしろのもやすけを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:報告書は全部緑なのに、締めは毎月止まる。何が起きているのか分からないまま、次の月が来ること
目的:適切なデータを集め、文脈の中で正しく評価して、判断の不確かさを減らす
数字は、受け取る人が決めることから逆に選ぶ
窓口の目標を「平均対応時間」にしたら、3か月で数字が半分になった
測定および報告の目で、次に何を確かめるか
指標は人の行動を変える。平均時間だけを追うと、難しい案件を早く閉じる動きを招く。目標を厳しくするとその副作用が強まり、報告を簡単にすると判断の材料が減る
第1部 第7話で、工場長のうしろのぽつんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:判子と一緒に、ラインの割り振りを決める場まで取り上げられること
目的:変化の「人の側面」を扱い、組織の変更を円滑に成功させ、効果を長続きさせる
異動を、失うものと得るものから伝え直す
申請の電子化から1か月。本社の利用率は72%、第二工場だけが6%
組織変更の管理として、まず何をするか
使われない仕組みは、たいてい使う人の大事なものを取り上げている。説明会は使い方が分からない前提の手当てで、理由に届かない。期限だけ先に決めると、失う場を残したまま押し切り、裏で紙が続く
第1部 第8話で、情シス課長のうしろのわくもりを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:20件を4つの枠に入れる役目を、断る理由ごと一人で背負うこと
目的:限られたお金と人の中で戦略を実行できるよう、取り組みの組み合わせを適切に保つ
今決める・待つ・部で先に・見送る、に分ける
各部から要望が20件届いた。情シスの人数で来年できるのは4件
ポートフォリオ管理として、どう選ぶか
限られた人とお金を、戦略に効く組み合わせに回すのがこの仕事。終えやすさは戦略の物差しにならず、断る理由も課長一人に残る。全件に少しずつでは力が散り、どれも終わらない
第1部 第10話で、取引先の惣菜店のうしろのあとでを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:店の事情を聞かれないまま、ある日FAXが使えなくなること
目的:プロジェクトを成功させる。計画し、任せ、見守り、統制し、関わる人の意欲を保つ
段階に区切り、区切りごとに続けるかを決める
注文アプリの開発中、取引先の4割にスマホで注文する人がいないと分かった
プロジェクト管理として、どうするか
続ける理由が変わったら、計画を直す。計画どおり広げる案は、計画を守ること自体が目的になり、使えない店を置き去りにする。止める案は、半分の取引先には効く理由が残っているのに捨てている
第1部 第5話で、経理の担当者(ユーザー)のうしろのぽつんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:止まっていないというだけで、自分たちの困りごとが数に入らないこと
目的:組織と関係者のつながりを、戦略と戦術のレベルで築き、育てる
名人の異動を、工場とのあいだの橋に変える
SLAは全部緑。経理の若手から「最近、精算がしんどい」と件名のないメールが来た
関係管理として、次に何をするか
関係管理は、数字の外にある不満と期待をつかむ。記録を閉じる案は番号だけの返事と同じで、困りごとが数に入らない。目標を厳しくする案は、不満のない所を締めるだけで、使いにくさに届かない
第1部 第4話で、管理本部長のうしろのわくもりを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:何にいくら払っているのか分からないまま、毎年の枠が膨らむこと
目的:お金と投資が有効に使われるようにし、サービス管理の戦略と計画を支える
単価より先に、払っている数を数える
管理本部長から「クラウドの費用が毎年増えている。使っていないものは止めて」
サービス財務管理として、まず何をするか
お金を有効に使うには、費用と役目を並べて判断する。負荷で止める案は、FAX注文のような隠れた役目まで止めてしまう。一律の値下げは、何にいくら払っているか分からないまま削っている
第1部 第8話で、要望を出す部の部長のうしろのもやすけを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:「DX」の中身が分からないまま、要望を出せと言われること
目的:目標を決め、そこへ向かう行動と資源の配分を決める。方向・集中・優先順位を与える
決まった物差しは今使い、まだの物差しに日付を付ける
社長は毎年「DXを進めろ」と言う。各部は何を要望すればいいか分からない
戦略管理として、情シスは何をするか
戦略は方向と優先順位を与える。他社の事例集は他社の方向を借りるだけで、自社の物差しにならない。技術の導入計画は手段が先に立ち、何のために何を優先するかが決まらない
第1部 第6話で、候補Aの営業のうしろのわくもりを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:一社ごとの約束を引き受けて、値段の枠が崩れること
目的:外部に頼っている部分の質と切れ目のなさを守り、重要な相手とは協力を深める
値上げの知らせを、実績を一緒に見る場に変える
次は窓口のAIのサービスを選ぶ。前回は、選んだあとで覚書を断られた
サプライヤ管理として、今回はどう進めるか
外の会社との条件は、選ぶ前にそろえる。デモを先に見せる案は前回と同じ順番で、惚れたあとに断られる。規約で代える案は、社内ルールと委託先を監督する責任を、選ぶ側が勝手に外している
第1部 第2話で、インフラ担当(名人)のうしろのぽつんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:自分にしかできないことがなくなって、席の意味まで消えること
目的:事業目標を支えるために、適切なスキルと知識を持つ人を、適切な役割に置く
名人の穴を、業務の形に分けて2人目を置く
窓口のAIが問い合わせの4割近くに答え始め、ヘルプデスク担当が自分の席を不安がる
要員およびタレント管理として、どうするか
必要な力を持つ人を、合う役割に置くのがこの仕事。人員を減らす案は人数だけを見て、カードを育てる力を手放す。様子を見る案は不安を先送りするだけで、新しい役割もスキルも決まらない
サービスを管理するために作られたしくみ。ITIL 4の分類です。
第1部 序で、経理の担当者のうしろのくうらんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:打ち込んだ明細が、保存の途中で消えること。消えても、どの報告にも載らないこと
目的:顧客と利用者のニーズを満たす、合意した水準の可用性をサービスに保たせる
どの43分なら止まってよいかまで、約束に書く
精算システムの稼働率は年99.9%で目標どおり。ただ、止まった時間の大半は締めの3営業日だった
来期の可用性の目標をどう置き直すか
可用性は「いつ使えるべきか」まで含めて合意する。年の平均を上げても締めに止まれば意味がなく、費用だけ増える。再起動を覚えるのは戻す速さの工夫で、目標の置き直しにはならない
第1部 第8話で、選ばれなかった部の部長のうしろのぽつんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:自分の部の要望が、中身を聞かれないまま落とされること
目的:事業を分析してニーズを定義し、課題を解く方法を提案する。変える理由と解決策を形にする
製品名の前に、困りごとと狙う結果を書く
営業部長から「営業全員にタブレットを配りたい」と要望が来た。予算会議まで2週間
情シスは最初に何をするか
要望は解決策の形で届く。困りごとと狙う結果を先に決めれば、タブレット以外の手とも比べられる。機種比べは解決策を決めた後の仕事。そのまま出すと、経営会議に比べる材料が届かない
第1部 第2話で、管理本部長のうしろのわくもりを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:足りないから増やす、を毎年言われて、予算の枠があふれること
目的:今と将来の需要を費用に見合う形で満たし、期待どおりの性能を出させる
増やす前に、山の形を見る
締めの日、本社のバッチと8営業所の一斉入力が重なり、精算システムが固まる。増強の見積もりは年300万円
管理本部長に何を出すか
容量は増やす以外に、需要の山をならしても足りる。両方を数字で並べれば、管理本部長が選べる。見積もりだけでは比べる材料がない。入力を控えさせると営業所の仕事が止まり、山の量も分からないまま
第1部 第3話で、工場長のうしろのはつみみを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:自分の知らないところで、ラインにつながるものが変わること
目的:リスクを評価し、変更を許可し、予定を管理して、成功する変更の数を最大にする
重さは、止まるものの大きさで決める
メールボックスの容量を増やす作業は月20件で、毎回3分。そのたびに変更カードと課長の許可を通している
この作業の手続きをどう変えるか
低リスクで手順の決まった作業は標準変更にできる。手順を作るときに一度評価と許可を通せば、毎回の許可は要らない。カードをやめると記録が消え、月1回の許可では作業が最大1か月待たされる
第1部 第1話で、第二工場の事務のうしろのぽつんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:誰から来たかで順番が決まって、工場の件が後回しにされること
目的:止まった・遅くなったサービスを、できるだけ早く元に戻し、悪影響を小さくする
届いた順でなく、止まった業務の大きさで並べる
同時に2件。役員から「会議室のモニターが映らない」、第二工場から「出荷ラベルが印刷できない」
手の空いている担当は1人。どう動くか
優先度は業務への影響と急ぎ具合で決める。出荷の停止は時間とともに損が増え、会議は部屋を移れば続く。肩書き順や受付順では大きな件が後回しになり、原因調査を先にすると戻すのが遅れる
第1部 第4話で、北関東営業所の事務のうしろのぽつんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:うちが毎日頼っているものが、うちに聞かれないまま止められること
目的:IT資産の一生(調達から廃棄まで)を管理し、価値・コスト・リスク・契約の遵守を支える
期限の3か月前に、次の一手を決める
「旧_予備」という名のクラウドのサーバーが月4万円。負荷はほぼゼロで、台帳の持ち主欄は空
管理本部長は止めたいと言う。次に何をするか
止めるかどうかは、費用と一緒に、誰が何に使っているかで決める。負荷だけで止めると、この会社では営業所のFAX注文が届かなくなった。払い続けるのは、判断を先送りしてお金を出し続けること
第1部 第2話で、ヘルプデスク担当のうしろのはつみみを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:止まったことを、いつも経理からの電話で最後に知ること
目的:サービスと部品を観察し、意味のある状態の変化をイベントとして記録し、対応を決める
200の見張りのうち、人に届けるのは14個にした
監視を入れたら、精算サーバーから1日300件の通知が窓口に届く。ほとんど誰も読んでいない
どう直すか
すべてのイベントに人が動く必要はない。情報は記録に残し、手を打てる警告と、基準違反の例外だけを人に届ける。全部止めると電話で気づく日に戻り、全部読むと人が通知に埋もれる
第1部 第2話で、経理部長のうしろのくうらんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:なぜ止まったのかが空いたまま、次の締めが来ること
目的:インシデントの本当の原因を見つけ、回避策と既知のエラーを管理して、起きやすさと影響を減らす
32件の「つながらない」を、1つの問題にした
精算システムが締めのたびに固まり、再起動で戻した回数は2年で62回。原因はまだ分からない
最初の一手は
繰り返すインシデントは問題の入口。原因の分析と回避策を並行して進める。再起動の手順だけでは戻すのが速くなるだけで原因が残る。原因が分からないまま入れ替えると、外れたときにお金だけが出ていく
第1部 第10話で、営業所の担当者のうしろのはつみみを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:取引先に聞かれて初めて、自分の会社が何を出したのかを知ること
目的:新しい、または変更されたサービスや機能を、使える状態にする
置く日と、使い始める日は別の日
注文アプリは本番に置いてある。取引先は200社で半分はFAX注文。営業所はまだ説明を受けていない
公開をどう進めるか
リリースは、使えるようにする相手と日を選ぶ仕事。先に問い合わせを受ける側をそろえ、使える相手から広げる。一斉に出すと営業所が答えられず、全員を待つと、使える取引先の分の価値まで遅れる
第1部 第1話で、人事の担当のうしろのもやすけを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:何を、誰に、どう頼めば通るのか分からないまま、新人の初日が来ること
目的:サービスとオファリングについての、一貫した唯一の情報源を作り、必要な人が見られるようにする
頼めることの一覧を、組織が変わった週に書き直す
人事・総務・営業所で、PC手配の頼み方の説明がそれぞれ違う。3つとも少しずつ古い
どう直すか
カタログは唯一の情報源にする。見せ方は部署ごとに変えてよいが、元は1つ。各部署に直させるとまた3通りに分かれる。説明をやめると、何を頼めるか分からない状態に戻る
第1部 第4話で、インフラ担当のうしろのくうらんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:止めたら、ほかに何が止まるのか、どこにも書いていないこと
目的:サービスを作る部品(構成品目)と、そのつながりについて、正確な情報を必要なときに使えるようにする
使い道を決めた分だけ、つながりを書く
精算システムの設定を変えたら、同じサーバーに載る工場のラベル印刷が止まった。同居は誰も知らなかった
台帳に何を足すか
構成管理が答えるのは「止めたら何が止まるか」。載っているものと業務のつながり、直す担当があれば、変更の前に影響先が分かる。購入日や費用は資産管理の情報。設定値の丸写しは更新が追いつかず、つながりも見えない
第1部 第12話で、工場長のうしろのあとでを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:止まっている最中に、戻す順番を決めなければならないこと
目的:災害が起きても、サービスの可用性と性能を十分な水準に保ち、組織の回復力を高める
訓練で、去年の1枚が古くなっていたと分かった
工場のサーバー室に、生産・ラベル印刷・勤怠・ファイル共有が載る。停電のときの手順はまだない
ふだんのうちに何を決めるか
何から戻すかは、止まったときの業務への影響で決まる。ふだんに決めておけば、非常の日に考えずに済む。全部を同じ水準にそろえると費用が膨らみ、その場で決めてもらうと、いちばん判断しにくいときに判断を迫る
第1部 第7話で、工場の事務の担当者のうしろのもやすけを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:40人にPC2台の現場で、本社向けの手引きをどう使えばいいのか分からないまま回すこと
目的:目的に適い、使用に適い、実際に提供できる製品とサービスを、人や接点まで含めて設計する
仕様の前に、使う人の一日を見る
電子申請を入れたら、工場では画面を印刷してラインで判子をもらい、工場長のIDで押していた
どう直すか
回り道は、設計が現場に合っていない合図。使う人と一緒に、端末の数や承認の場まで含めて作り直す。ルールを押し付けても回り道は残り、紙に戻すと二重の運用が続く
第1部 第1話で、総務の担当者のうしろのはつみみを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:頼んだ件が、知らないところで止まっていること
目的:インシデントとサービス要求を受け付ける。すべての利用者にとっての単一の窓口
4月の140件を、ひとつの入口で番号に変える
共通窓口を作って1か月。営業所長からは、なじみのメンバーに個人チャットで依頼が届き続けている
受けたメンバーはどうするか
窓口は入口を1つにして記録を残すしくみ。代わりに登録すれば、相手を待たせずに記録が窓口へ集まる。断ると関係が冷え、記録を後回しにすると、担当が休んだ日にまた止まる
第1部 第5話で、経理部長(顧客)のうしろのもやすけを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:約束は守られているのに、部下が疲れている理由を言葉にできないこと
目的:事業に基づく明確な目標を決め、それに対して提供の状況を評価し、管理する
約束は、去年の痛みの形をしている。だから読み直す
SLAの指標は12か月すべて達成。なのに経理部長から、件名のないメールで「部下が疲れている」と届いた
最初に何をするか
指標が緑で顧客が赤いのはウォーターメロン効果。数字が顧客の成果を表していない。顧客と話して指標を作り直す。報告を増やしても不満は消えず、目標を厳しくしても測っているものは変わらない
第1部 第1話で、隣の席のメンバーのうしろのくうらんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:「何に基づいて」と聞かれたとき、自分の判断しか答えがないこと
目的:あらかじめ決まった「いつものお願い」を、効果的で使いやすい形でさばく
30人分を、誰が受け持っても同じ手順と日数で届ける
人事から「来月の新人10人のPCとアカウントを」。前回は担当の記憶頼みで、初日に3人分のアカウントがなかった
どうさばくか
新人のPC手配は、いつものお願い。手順と合意を先に決めれば、誰が担当しても同じに届く。記憶頼みでは同じ抜けが起きる。毎回許可を取るのは遅いだけで、本番に触れる手順なら標準変更にできる
第1部 第3話で、ベンダーのSEのうしろのくうらんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:確かめる場所がないまま、本番でぶっつけになること
目的:新しい、または変更された製品とサービスが、決められた要件を満たすようにする
「動いた」と「使える」を、先に書き分ける
ベンダーのSEに、精算サーバーの設定変更をやり直してもらう。契約にテスト用の環境はない
どう進めるか
本番に入る前に、要件を満たすかを確かめる。同じサーバーのラベル印刷まで試せば、前回の停止は防げた。本番で慎重にやっても確かめたことにはならず、変更をやめると原因が残る
技術の管理から取り入れたしくみ。ITIL 4の分類です。
第1部 第3話で、第二工場の出荷担当のうしろのあとでを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:いちばん止めてはいけない日に、変更が入ってくること
目的:新しい、または変更されたものを、本番やテストの環境へ移す
戻す時間を測ってから、移す日を決める
ラベル印刷のソフトを新しい版に替える。3つの工場が同じソフトを使い、出荷は毎日ある
どう移すか
止まると痛い現場には段階的展開。影響を1ラインに閉じ込め、戻す手順も先に用意する。一斉に入れると不具合で3工場が同時に止まる。各自に任せると版がばらつき、いつ何が入ったか追えない
第1部 第4話で、情シス課長のうしろのもやすけを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:外の会社に任せている部分まで含めて、土台の全体が見えないまま決めること
目的:組織が使うインフラとプラットフォームを、外部の提供者の分も含めて監督する
外の会社の土台も、同じ1枚に載せる
営業所のFAX注文は、外のFAXサービスから社内の「旧_予備」サーバーを通って届いていた。誰も知らなかった
同じことを防ぐには
基盤は、社内と外部の提供者を合わせて1つの全体。同じ一覧にデータの流れと知らせの受け口を書けば、止める前に気づける。任せきりでは、つながりが見えないまま。作り直しても、知らない流れはまた生まれる
第1部 第10話で、情シス(動かす側)のうしろのくうらんを落ち着かせたしくみ。
怖がっていたこと:何が作られたのかを知らないまま、公開の日から動かす責任だけを渡されること
目的:アプリケーションが、機能・信頼性・保守性などの面で関係者のニーズを満たすようにする
完璧に書くより、直せる形で作る
注文アプリを公開した週、営業所に問い合わせが40件。開発チームは「契約上は納品済み」と言う
次の契約と体制をどうするか
アプリは作ったあとも直せる状態に保つもの。作る側が利用の声を読み、小さく直して出し続ける。年1回の改修では不満がたまり、完璧な納品を求めても、使ってから分かる困りごとは防げない