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情シスのための ITIL(バージョン5)入門|公開情報を調べて、やさしい言葉でまとめた学習ページ

ITIL(バージョン5)を、やさしい言葉で全体から学ぶ

2026年に公開されたITILの新しい版を、全体の地図から順にたどります。ITIL 4の考え方を土台に、プロダクトとサービスを1つの流れで扱い、AIと複雑さを前提にした点が大きな変化です。

各項目の印:新しいバージョン5で加わった 変わったITIL 4から形や名前が変わった 同じITIL 4と同じ
目次をひらく
    すべてを4つの側面から考える(5章):組織と人材(AIを含む)/情報とテクノロジー(AIの6Cモデル)/パートナーとサプライヤー/バリューストリームとプロセス

    図 ITIL(バージョン5)の全体像。部品を押すと、その章に飛べる。1章は版そのもの、8章はバリューストリーム、12章は書籍と資格を扱う。

    1章 約8分

    ITILは、ITサービス管理から「デジタルプロダクトとサービスの管理」へ広がった

    バージョン5は、ITIL 4を土台にした進化版です。扱う範囲が、ITサービスの管理から、デジタルなプロダクトとサービスの管理全体に広がりました。

    新しい版は2026年初めに公開されました。公式の呼び名は、ただの「ITIL」です。「バージョン5」は、前の版と区別するための添え書きにすぎません。ITILは、もとの略語(IT Infrastructure Library)の意味でも使われなくなりました。

    ITILは今、デジタルプロダクトとサービスを管理するための枠組みとベストプラクティス、と説明されています。日本語では「デジタルプロダクトおよびサービスマネジメント」(略してDPSM)と呼ばれます。

    なぜ変わったのか

    ITIL 4が出た2019年から、ITを取り巻く環境が大きく変わりました。ITILの編集責任者は、5つの変化と、それぞれへの答えを挙げています。

    起きた変化バージョン5の答え 複雑さが急に増した→複雑さを前提にした枠組み AIが一気に広まった→AIを前提にした手引き 戦略と現場の実務がかみ合わない→経営・管理職・実務者それぞれの位置づけ 技術の現場の縦割りが残っている→プロダクトとサービスを1つにした枠組み 技術の「人の側面」への関心が高まった→体験を良くする実践的な手引き

    ITIL 4を学んだ人への早見表

    項目ITIL 4バージョン5
    扱う範囲 変わったITサービスマネジメントデジタルプロダクトおよびサービスマネジメント
    中心のモデル 変わったサービスバリュー・システムITILバリューシステム(部品は同じ5つ)
    価値を生む活動 新しいバリューチェーンの6つの活動ライフサイクルの8つの活動
    7つの原則 同じ7つ同じ7つ
    4つの側面 変わったサービスマネジメントの4つの側面プロダクトおよびサービスマネジメントの4つの側面。AIを明記
    価値の要素 変わった有用性と保証有用性・保証・体験・持続可能性
    プラクティス 変わった34個を3つのグループに同じ34個を2つのグループに
    AI 新しいほとんど扱っていないAIを前提に。6Cモデル、AIガバナンスの本
    バリューストリーム 変わった触れる程度独立した章。地図の描き方まで扱う

    公開された分析では、内容の40%がITIL 4から引き継がれ、36%がまったく新しく、24%が変更・拡充された部分とされています。

    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    ITIL (Version 5)2026年に出たITILの新しい版。公式名はただのITILITIL(バージョン5)
    Digital product and service management(DPSM)デジタルなプロダクトとサービスを、まとめて管理することデジタルプロダクトおよびサービスマネジメント

    2章 約7分 新しい

    デジタルプロダクトとサービスは、同じ解決策の2つの面

    作られたもの(プロダクト)と、それを使って価値を得る仕組み(サービス)は、別々のものではありません。同じ解決策を、2つの側から見たものです。

    Digital productデジタルプロダクト価値を生むために組み合わされた、ソフトウェアやデータなどの資源。「何を作ったか」の側
    Digital serviceデジタルサービス主にデジタルプロダクトによって成り立つサービス。「どう使われ、どう価値になるか」の側

    これまでは、プロダクトを作る人たちと、サービスを運営する人たちが、別のチーム、別の道具、別の考え方で働くことが多くありました。バージョン5は、両者を1つの流れでつなぎます。

    同じ解決策を、2つの立場から見ることもあります。作って売る側(プロダクトの提供元)と、それを使ってサービスを届ける側(サービス提供者)です。バージョン5の詳しい本では、7章の8つの活動を、この2つの立場からそれぞれ説明しています。

    SaaSの事業者はプロダクトの提供元です。情シスはそのSaaSを組み合わせ、設定し、問い合わせに応えて、社員にサービスとして届けます。同じSaaSでも、作る側と届ける側で見ている面が違います。

    ITIL 4はサービスが中心で、プロダクトは一部で触れる程度でした。バージョン5は、プロダクトの管理とサービスの管理を1つの枠組みにまとめています。
    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    Product価値を生むように組み合わせた、組織の資源プロダクト
    Digital service主にデジタルプロダクトで成り立つサービスデジタルサービス
    Product vendor / Service provider作って提供する側/サービスとして届ける側プロダクトベンダー/サービスプロバイダ

    3章 約7分 変わった

    価値を決める要素は、有用性と保証に「体験」と「持続可能性」が加わって4つ

    価値は、提供する側と使う側が一緒に作るものです。その価値に効く要素が、2つから4つに広がりました。

    価値の共創という考え方は、ITIL 4から変わりません。提供する側が一方的に渡すのではなく、使う側と協力して価値が生まれる、という考え方です。成果、コスト、リスクの差し引きで価値を考える点も同じです。

    Utility有用性何ができるか。必要を満たす機能があるか
    Warranty保証約束どおりに使えるか。止まらない、漏れない、遅くならない
    Experience 新しく強調体験使う人が、機能と気持ちの両面でどう感じるか
    Sustainability 新しく強調持続可能性長く続けられるか。環境や社会への影響も含めて考える

    機能がそろい、止まらなくても、使いにくくて嫌われるサービスは価値を生みません。体験は、その差を言葉にするための要素です。利用者の体験だけでなく、顧客や働く社員の体験も対象になります。

    申請フォームが正しく動き(有用性)、止まらない(保証)のに、項目が多すぎて誰も最後まで書けない。これは体験の問題です。数字の目標を満たしていても、利用者は不満を感じています。

    持続可能性が何を含むかの細部は、公式書籍で確かめてください。ここでは、研修各社が公開している範囲の説明にとどめています。

    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    Value co-creation提供者と消費者が協力して価値を作ること価値の共創
    Utility / Warranty何ができるか/約束どおり使えるか有用性/保証
    User experience(UX)/Customer experience(CX)利用者の体験/顧客の体験ユーザー体験/顧客体験
    Sustainability長く続けられること持続可能性

    4章 約6分 新しい

    使う人が必要を感じてから成果を得るまでの道のりを、「ジャーニー」として見る

    提供する側と使う側の関係を表すモデルと、使う人がたどる道のり(サービスジャーニー)が、入門の範囲に入りました。

    バージョン5には、提供する側と使う側の関係を表す、新しいサービス関係のモデルがあります。どちらがどの役割を持ち、どうやりとりして価値を作るかを整理するためのものです。顧客、利用者、スポンサーといった役割の考え方は、ITIL 4から引き継がれています。

    サービスジャーニーは、使う人が「こうしたい」と感じてから成果を得るまでに通る、接点とやりとりの流れです。ITIL 4では上位の資格で学ぶ内容でしたが、バージョン5では入門の範囲で紹介されます。詳しい使い方は、上位の「エクスペリエンス」の本で扱います。

    ジャーニーを見ると、提供する側の手順では見えない「待たされる」「何度も聞かれる」といったつまずきが見えてきます。働く社員の体験が良いと顧客の体験も良くなりやすい、という考え方も示されています。

    新入社員がPCを受け取ってから仕事を始められるまでを、本人の目線で書き出してみます。総務、情シス、上司の間で何度も同じことを聞かれていれば、そこがジャーニー上のつまずきです。

    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    Service relationship model提供する側と使う側の関係を整理するモデルサービス関係モデル
    Service journey必要を感じてから成果を得るまでの道のりサービスジャーニー
    Customer / User / Sponsor決める人/使う人/お金を認める人顧客/ユーザー/スポンサー

    5章 約6分 変わった

    4つの側面は残り、そこにAIがはっきり書き込まれた

    どのプロダクトやサービスも、人、情報とテクノロジー、取引先、仕事の流れの4つから考えます。バージョン5では、AIがこの4つの中に位置づけられました。

    組織と人材誰が担い、どんな力量が要るか役割、スキル、文化。AIと人がどう役割を分けるか、も含む
    情報とテクノロジーどの情報を、どの道具で扱うかデータ、ツール。AIの能力を6つに分けた「6Cモデル」がここにある(10章)
    パートナーとサプライヤー外部の会社に何を任せるか事業者、保守会社、委託先
    バリューストリームとプロセス仕事がどう流れて価値になるか手順と流れ(8章)

    外側から、政治・経済・社会・技術・法律・環境の変化(PESTLE)が4つすべてに影響する

    名前は「サービスマネジメントの4つの側面」から「プロダクトおよびサービスマネジメントの4つの側面」に変わりました。図の描き方も少し変わりましたが、中身の考え方は大きくは変わっていません。

    生成AIを社内に入れるとき、ツール選び(情報とテクノロジー)だけでは足りません。誰がAIの出力を確かめるか(組織と人材)、事業者がデータをどう扱うか(パートナーとサプライヤー)も考えます。どの業務の流れに組み込むか(バリューストリームとプロセス)まで決めて、はじめて使えます。

    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    Four dimensions of product and service managementプロダクトとサービスを考える4つの観点プロダクトおよびサービスマネジメントの4つの側面
    Organizations and people/Information and technology人と組織/情報と道具組織と人材/情報とテクノロジー
    Partners and suppliers/Value streams and processes外部の会社/仕事の流れパートナーとサプライヤー/バリューストリームとプロセス

    6章 約8分 変わった

    中心のモデルは「ITILバリューシステム」。部品は同じ5つのまま

    組織全体で「こうしたい」を価値に変える仕組みは、名前が変わり、見せ方が新しくなりました。部品は同じ5つです。

    ITIL 4の「サービスバリュー・システム」は、バージョン5で「ITILバリューシステム」になりました。入口は機会と需要、出口は価値です。その間を5つの部品が支える形は変わりません。

    部品ひとことで変化
    従うべき原則どんな場面でも判断の拠り所になる7つの考え方同じ 7つとも同じ
    ガバナンス組織の方向を決め、見守る仕組み同じ 考え方は同じ
    バリューチェーン価値を生む活動新しい 8つの活動で表す(7章)
    プラクティス目的ごとの実践の型(34個)変わった 分け方が2グループに(9章)
    継続的改善すべてを良くし続けること変わった モデルが見直された

    7つの原則は、そのまま

    次の7つは、ITIL 4と同じです。バージョン5では、原則の意味だけでなく、どう使うかが重視されています。

    • 価値に着目する
    • 現状から始める
    • フィードバックをもとに反復して進化する
    • 協働し、可視性を高める
    • 包括的に考え、取り組む
    • シンプルにし、実践的にする
    • 最適化し、自動化する

    継続的改善のモデルは、見直された版に

    小さく繰り返して良くする考え方は同じです。モデルの細部はITIL 4から見直されていますが、変わった点の詳細は公開情報では確かめきれませんでした。公式書籍で確認してください。

    部品の顔ぶれは同じでも、中のバリューチェーンが大きく変わりました。6つの活動から、プロダクトとサービスの一生をたどる8つの活動になっています。
    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    ITIL Value System(ITIL VS)価値を生む組織全体の仕組みITILバリューシステム
    Guiding principles判断の拠り所になる7つの考え方従うべき原則
    Continual improvement model小さく繰り返して良くするための型継続的改善モデル

    7つの原則の訳語は、日本の認定教育機関の解説で使われている形です。

    7章 約12分 新しい

    価値を生む活動は8つ。順番は固定されず、どこからどこへでも行き来する

    プロダクトが生まれてからサービスとして使われ続けるまでを、8つの活動で表します。いちばん大きな変化です。

    このモデルは「ITILプロダクトおよびサービスライフサイクルモデル」(略してPSLM)と呼ばれ、ITIL 4のバリューチェーンに代わるものです。前半はプロダクト寄り(作る)、後半はサービス寄り(届けて支える)で、真ん中の2つが橋渡しをします。

    サポートで集まった声は、次の「発見」に戻る。どの活動からどの活動へも動ける

    大事なのは、8つが一方通行の工程ではないことです。テストで足りない点が見つかれば、構築から設計に戻ります。ある版を運用しながら、次の版の発見を始めることもあります。同じサービスの別の版が、違う活動に同時にいることもあります。

    ITIL 4の6つの活動バージョン5の8つの活動
    計画、改善、エンゲージ、設計および移行、取得/構築、提供およびサポート発見、設計、取得、構築、移行、運用、提供、サポート

    6つと8つは1対1で対応するものではありません。8つの活動は、プロダクトとサービスの一生に沿って組み直されたものです。

    教科書ではこう書かれている言葉
    原語訳語の例
    ITIL Product and Service Lifecycle Model(PSLM)ITILプロダクトおよびサービスライフサイクルモデル
    Discover / Design / Acquire / Build発見/設計/取得/構築
    Transition / Operate / Deliver / Support移行/運用/提供/サポート

    8つの活動の訳語は、日本の認定教育機関の解説で使われている形です。各活動の説明は、公開されている解説をもとに平易にまとめたものです。

    8章 約6分 変わった

    バリューストリームは、依頼の始まりから価値が届くまでの流れ。地図に描いて改善する

    バリューストリームの見つけ方と管理の仕方が、入門の範囲で独立した章になりました。

    バリューストリームは、何かのきっかけ(依頼や需要)から、価値が届くまでの一連の流れです。8つの活動を、その依頼に合わせて組み合わせたものとも言えます。外部の顧客に直接価値を届ける中心的な流れは、コアのバリューストリームと呼ばれます。

    流れを1枚の地図に描くと、どこで待ちが生じ、どこで担当が替わり、どこで手戻りが起きるかが見えます。見えたところから直していきます。

    一般的には、次の順で描きます。

    1. きっかけ(何が届いたら始まるか)と、届けたい成果を決める
    2. その間の手順を、担当者ごとに順に書き出す
    3. 手順ごとにかかる時間と、待っている時間を書き込む
    4. 待ちや手戻りの多いところから、改善を考える

    上の手順は、バリューストリームの地図を描く一般的な進め方です。ITIL(バージョン5)が示す手順の細部は、公式書籍で確かめてください。

    「アカウント申請が届く」から「本人が使い始める」までを描くと、作業そのものは10分でも、承認待ちで3日止まっていることがあります。改善すべきは作業の速さより、待ちの長さです。

    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    Value streamきっかけから価値が届くまでの流れバリューストリーム
    Core value stream外部の顧客に直接価値を届ける中心の流れコアバリューストリーム
    Value stream mapping流れを地図に描くことバリューストリームマッピング

    9章 約8分 変わった

    34のプラクティスは名前を変えず、2つのグループに分け直された

    プラクティスの名前は34個とも同じです。分け方が、3つのグループから2つのグループに変わりました。

    ITIL 4にあった「技術マネジメント」のグループはなくなりました。展開管理やインフラストラクチャおよびプラットフォーム管理などは、「プロダクトおよびサービスマネジメント」に移っています。情報セキュリティ管理とサービス財務管理も、一般マネジメントからこちらに移りました。

    入門で問われることが変わった

    ITIL 4の入門資格では、15個のプラクティスの目的と、7個の中身が試験の半分以上を占めていました。バージョン5の入門では、個々のプラクティスより、プラクティスとは何か、2つのグループ、全体の中での役割が中心になります。インシデント、問題、変更などの基本の用語は、引き続き紹介されます。

    プラクティスごとの詳しい手引き(プラクティスガイド)は、バージョン5に合わせて2026年後半に改訂される予定と案内されていました。用語の統一、AIの使い方、プロダクトの視点が足される見込みです。

    各プラクティスの目的は、ITIL 4の説明をもとに平易にまとめたものです。バージョン5の改訂で、説明が変わる可能性があります。日々の依頼に直結する7つの中身は、ITIL 4の学習ページの11章を参照してください。

    10章 約8分 新しい

    AIを前提にする。AIにできることを6つの能力に分けて考える

    バージョン5は、AIが使われることを前提に作られています。AIの能力を6つに分けた「6Cモデル」と、AIガバナンスの専用の本があります。

    公式の説明では、入門の内容そのものがAIを前提に作られ、AIガバナンスの必要性も踏まえているとされています。入門の本には、AIを使った変革を進める架空の会社の物語が通して登場します。

    AIの能力の6Cモデル

    6Cモデルは、4つの側面のうち「情報とテクノロジー」の中で紹介されています。AIの主な能力を、Cで始まる6つの言葉で表したものです。

    生成Creation文章、画像、コードなどを新しく作る例:問い合わせへの回答文の下書き
    キュレーションCuration情報を集め、選び、整理する例:過去の対応記録から関係するものを集める
    明確化Clarification分かりにくいものを要約し、説明する例:長い規程を要点にまとめる
    認知Cognitionパターンを見つけ、分析や判断を助ける例:問い合わせの傾向から原因の候補を挙げる
    コミュニケーションCommunication人と自然な言葉でやりとりする例:社員からの質問にチャットで答える
    調整Coordination複数の作業や仕組みをつなぎ、段取りを進める例:申請を受けて、関係する作業を順に起動する

    6つの名前と訳語は、公開情報と日本の認定教育機関の解説で確認しました。各能力の説明と例は、名前と公開情報をもとに平易にまとめたもので、公式の定義文ではありません。

    AIガバナンス

    AIを責任をもって、効果的に使うための専用の本として「ITIL AIガバナンス」が出ています。監督、リスク管理、倫理の配慮などを扱います。中核の本を補う位置づけで、関連する資格も別に用意されています。

    AIで問い合わせに自動で答えるなら、6Cのどの能力を使うのか(コミュニケーションと明確化)を決めます。そのうえで、誤った回答を誰がどう見つけて直すかを、ガバナンスとして決めておきます。

    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    AI-nativeAIが使われることを前提にしているAIネイティブ
    ITIL AI Capability Model(6C model)AIの能力を6つに分けたモデルITIL AI能力モデル(6Cモデル)
    AI governanceAIを責任をもって使うための方向づけと監督AIガバナンス

    11章 約7分 新しい

    複雑さを前提にする。計画どおりに進めるより、試しながら方向を見つける

    先が読めない環境では、立てた計画をそのまま実行するだけでは足りません。バージョン5は、試しながら正しい方向を探すことを支えます。

    こうした環境は、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の頭文字を取ってVUCAと呼ばれます。公式の説明では、入門の内容は「複雑さを前提にしている」とされ、計画を実行するだけでなく、実験しながら方向を見つけることを支えるとしています。

    この考え方は、上位の本で深められます。「ストラテジー」の本はVUCAの中での戦略の立て方と実行を、「トランスフォーメーション」の本は複雑さを前提にした変革の進め方を扱います。変革がうまくいかないのは、予測できる環境向けの進め方を当てはめるからだ、という問題意識が背景にあります。

    他の枠組みとつなげる

    入門の範囲に、他の枠組みとの連携も加わりました。開発と運用を一体で進めるDevOpsや、プロジェクト管理の枠組みであるPRINCE2との組み合わせ方を扱います。ITILだけで全部をまかなうのではなく、得意な枠組みを組み合わせて使う考え方です。

    全社に新しいツールを入れるとき、最初から完璧な計画を作るより、1部署で試して反応を見てから広げます。7つの原則の「フィードバックをもとに反復して進化する」とも重なる考え方です。

    教科書ではこう書かれている言葉
    原語平易に訳語の例
    Complexity-native複雑さを前提にしている複雑性ネイティブ
    VUCA変動性・不確実性・複雑性・曖昧性VUCA(ブーカ)
    Transformation組織を大きく変えることトランスフォーメーション(変革)

    12章 約6分

    本は6冊とAIガバナンス。資格は入門から4つの称号へ進む

    入門の本の上に、目的別の5冊と、AIガバナンスの本があります。どの称号を目指しても、トランスフォーメーションは共通して学びます。

    本扱うこと
    ファンデーション全体の地図。このページの範囲
    プロダクト/サービス8つの活動を、作る側と届ける側の2つの立場から詳しく
    エクスペリエンスサービスジャーニーと、体験の測り方・良くし方
    ストラテジーVUCAの中での戦略の立て方と実行
    トランスフォーメーション複雑さを前提にした変革の進め方
    AIガバナンスAIを責任をもって使うための方向づけと監督

    入門の試験

    入門の試験は40問、60分、持ち込みなしの選択式で、65%以上の正答で合格です。日本語でも受けられます。日本の認定教育機関の分析では、出題の重みは次のように変わりました。

    分野ITIL 4バージョン5
    用語と定義17.5%30%
    バリューシステム(原則・ガバナンスなど)17.5%40%
    4つの側面5%10%
    バリューチェーン/ライフサイクル5%10%
    管理プラクティス55%上の分野に統合
    バリューストリーム/AI/他の枠組み—5%/2.5%/2.5%(新規)

    上位の称号は、プラクティス・マネージャー、マネージング・プロフェッショナル、ストラテジック・リーダー、マスターの4つで、ITIL 4と同じ名前です。日本語の公式書籍は、2026年5月のファンデーションを皮切りに順次出ています。

    試験の形式や配点、各称号に必要なモジュールは変わることがあります。受験の前に公式の案内で確かめてください。

    用語集

    用語集:原語・平易な意味・訳語の例

    言葉を入力すると、原語・平易な意味・訳語の例のどれかに含まれる用語だけに絞り込めます。

    原語平易な意味訳語の例

    このページは、2026年11月1日時点で公開されている情報を調べ、独自の言葉で平易にまとめた学習用のページです。公式書籍の文章ではありません。訳語は、日本の認定教育機関の解説で使われている形を優先しています。公式の定義や最新の内容は、公式書籍『ITIL ファンデーション(バージョン5)』で確かめてください。

    主な参照先:

    1. PeopleCert/ITIL公式「ITIL Foundation (Version 5), what's new?」https://www.itil.com/Itil-News-and-Announcements/itil-version-5-foundation-whats-new-guide
    2. PeopleCert「ITIL Foundation (Version 5)」試験案内 https://www.peoplecert.org/browse-certifications/it-governance-and-service-management/ITIL-1/itil-5-foundation-version-50-4154
    3. ITSM.tools「ITIL (Version 5) Explained: What's New, What's Changed, and Why It Matters」https://itsm.tools/itil-version-5-explained-key-changes-lifecycle-ai-governance/
    4. ITSM.tools「ITIL (Version 5) Changes Explained: 20 Important Changes from ITIL 4」https://itsm.tools/itil-version-5-vs-itil-4-key-changes/
    5. IT&ストラテジーコンサルティング「ITIL(バージョン5)の主要モデルを解説」https://itstrategy.jp/itil5/itil5model
    6. IT&ストラテジーコンサルティング「ITIL4ファンデーションとITILファンデーション(バージョン5)の違い」https://itstrategy.jp/itil5/itil4-vs-itil5-foundation
    7. Pass The Foundation「The ITIL Product and Service Lifecycle Explained」https://passthefoundation.com/resources/itil-product-and-service-lifecycle/

    ITIL® は PeopleCert の登録商標です。作成:2026-11-01

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