インフラ担当が、2か月の育休に入った。残ったのは、ホワイトボードの箱と、「消していいです」の付箋が1枚。
「消していいです」
育休に入る前の日、名人はホワイトボードの端に、その付箋を1枚だけ留めていきました。
6月の最後の日に情シスの島で小さなお祝いをしたのは、チームで「名人」と呼んできたインフラ担当が、7月と8月の2か月、育休に入るからです。贈ったのは、手のひらに載るほどの靴下でした。箱からそれをつまみ上げたまま、名人はしばらく黙っていた。
席の横には、ホワイトボードがあります。何かを説明するとき、名人は必ず先にここへ箱を描く。サーバーの箱、アプリの箱、外の会社の箱を描いて、箱と箱を線でつないでから、ようやく口を開く人です。ボードには、そうして描かれた箱が、何か月分も重なって残っていました。
引き継ぎの打ち合わせでも、名人はいつものようにマーカーのキャップを外しました。ところが、ペン先はボードに触れる手前で止まった。しばらくそのままでいてから、キャップを戻し、机の上の紙を1枚、こちらへ滑らせてきました。
「詳しいことは、カードに書いてあるとおりです」
困ったら連絡してもいいですか、と新しいリーダーは聞きました。
少し間があって、同じ言葉が返ってきました。「……カードに書いてあるとおりです」
帰り際、名人はホワイトボードの前にしばらく立っていました。消すのかと思ったら、消さなかった。マグネットで付箋を1枚留めて、席を立った。
エレベーターの前で、名人がひとことだけ言いました。「呼ばれないで済んだら、それがいちばんです」。言い終えてから、少し笑った。
去年の春、同じ人が「書いて誰でもできるようにしたら、自分がいる意味がなくなる気がしてた」と打ち明けています。自分にしか直せないことが居場所だったその人が、1年かけて、頭の中のものをカードと台帳に書き出してきた。笑ったのが、うれしかったからなのか、さびしかったからなのかは、分かりません。たぶん、両方です。
次の日、新しいリーダーはチームに1つだけ決まりを伝えました。
「名人には連絡しません。育休ですから」
4月にリーダーの席を継ぐまで、この人は窓口の電話を誰より早く取ってきた人です。困っている人を前にすると、先に手が出る。その手は、困ったら名人に聞く、のほうへも、きっと誰より早く伸びるだろう。決まりにしたのは、自分の手を止めるためでもありました。
育休は、チームにとってうれしい知らせであると同時に、ひとつの試験でもありました。去年1年かけて名人の頭の中にあったものをカードと台帳に移してきたけれど、本当に移っているのかは、名人のいない2か月でしか確かめられない。
夏のあいだ、インフラ担当の席には、中途で入ったメンバーが座ることになりました。4月に大手のSIerから移ってきた人で、かばんの中にはいつも、付箋だらけの分厚いITILの本が入っています。
育休の初日、窓口の電話が鳴りました。第一工場の設備の担当からで、最初の一言は「名人、いますか」。検査の機械につないだPCの調子がおかしい、いつもは名人に電話すれば済んでいた、と言います。
窓口には、名人あての電話がそれから1週間で6本来ました。どれも、窓口ができる前からの習慣です。電話のたびに番号を付けて受け、カードのある件はカードどおりに片付けた。カードのない件が、2本残りました。
1本は、第二工場の事務所のプリンターを止めて戻すときの順番で、名人が電話口で毎回説明していたものでした。新しいリーダーは、電話の向こうの事務の担当に1つずつ確かめながら手順を書き取り、その場でカードに起こしています。窓口でいちばん多く書いてきたのが、この種のカードです。もう1本の、検査の機械につないだPCの件は、すぐには片付きませんでした。
子は人ではなく、席につきます。名人が休んでも、インフラ担当の席の子はいなくならない。夏のあいだその席に座った人が、そのまま背負います。その席と、名人の仕事の先にあった2つの席のうしろを見ます。
子は人ではなく、席につく。言葉がきつくなるのは、うしろの子が何かを怖がっているとき。6体の紹介は地図に
「本来は、全部の構成品目を台帳に入れるべきです」
怖いのは台帳に載っていない部品が、どこかで何かにつながったまま残っていること
「延ばすなら、今月中に言ってもらわないと」
怖いのは期限の直前に延長の話が来て、リース会社との手続きが間に合わないこと
「止まるなら、先に言ってほしいんです」
怖いのは取引先から聞かされて、はじめて自分の会社の何かが止まったと知ること
せきのこ ── 席のうしろの、小さな子たち
育休に入って2週間ほどしたころ、クラウドの提供者のステータスページを開いたまま、中途のメンバーが手を止めました。使っているサービスのページを毎日のぞくのは、前の職場からの習慣だそうです。
「来週、データベースのサービスを1時間止めて更新する、と出ています。この知らせ、うちに来てましたか」
窓口には、来ていませんでした。調べると、提供者からの知らせは、名人の個人のメールアドレスに届く設定になっている。受け口の話は、あとで片付けることにしました。先に答えなければならない問いがあります。このデータベースが1時間止まったら、この会社の何が止まるのか。
去年の夏から変更カードを閉じるたびに直してきた台帳を開くと、持ち主の欄は全部埋まっていて、載っているものも、使う業務も書いてありました。空いていたのは「つながり」の欄でした。注文アプリまわりの行だけ、何から呼ばれ、何を呼ぶのかが、まとめて空いている。
| 名前 | つながり | 持ち主 | 使う業務 | 載っているもの | 最終更新 |
|---|---|---|---|---|---|
| 注文アプリ(クラウド) | (空欄) | インフラ担当 | 取引先の注文 | 注文の受付画面 | 1月 |
| 注文DB(提供者のデータベース) | (空欄) | インフラ担当 | 取引先の注文 | 注文のデータ | 1月 |
| 連携のバッチ | (空欄) | インフラ担当 | 受注・出荷指示 | 注文の受け渡し | 2月 |
| 精算システム(クラウド) | アカウント管理のサービス | ベンダー | 精算 | 経費の精算 | 5月 |
| 旧_予備 | FAXサービス → 営業所の共有フォルダ | インフラ担当 | FAXの注文 | FAXのPDF化 | 4月 |
注文アプリを本番に入れたのは、この1月です。台帳に行を足したのは名人で、公開の前で急いでいたし、つながりは名人の頭の中に全部あった。書かなくても、困らなかった。名人がいるあいだは。
隣の席のメンバーが言いました。「名人に、一回だけ聞きませんか。たぶん5分で済みます」
新しいリーダーの手は、もう携帯のほうへ動きかけていました。5分で済む。名人も、たぶん嫌な顔はしない。
その手を引っこめて、新しいリーダーはホワイトボードの前に立ちました。「消していいです」の付箋をはがす。裏には、何も書いていなかった。左の端だけを消し、インクの薄くなったマーカーで四角を1つ描いて、中に「注文DB」と書きました。説明の前に、まず箱を描く。名人がいつもそうしていたのを、去年1年、隣の島から見てきました。
前のリーダーなら、こういうとき、最初から全体の図を頭の中に持っていたのかもしれません。自分には、それがない。だから、描きながら考えることにしました。名人のやり方なら、手が覚えています。
箱を描くと、問いの形が変わります。何がつながっていたかは、名人の記憶に聞くしかない。でも、この箱を呼んでいるのは誰か、なら、実物の設定を開けば分かる。注文アプリと連携のバッチの接続先の設定を、中途のメンバーが1つずつ開いて読み上げ、新しいリーダーがそのたびに箱を足して、線を引いていきました。
途中で、読み上げる声が止まりました。
「本来は、全部の構成品目を台帳に入れるべきです」
サーバーも、ネットワークの機器も、ライセンスも、この機会にそろえたい、と。言っていることは正しい。ただ、新しいリーダーの頭に浮かんでいたのは、去年の夏に共有フォルダの奥から出てきた、3年前の台帳でした。作った人がいなくなり、誰も直さなくなって、少しずつ嘘になっていった台帳です。全部を書けば、全部を直し続けなければならない。
「今週答えたいのは、注文DBを止めたら何が止まるか、だけです。そのために要るつながりだけ、書きましょう」
本を閉じて、中途のメンバーは黙って次の設定を開きました。
設定を全部読み終えたところで、もう1つ確かめたのは、注文DBの側から見て、誰が実際につないできているかでした。提供者の管理画面で接続の記録を開くと、注文アプリと連携のバッチのほかに、もう1本、見慣れない接続が残っていました。たどると、営業本部の共有フォルダにある、月末に注文を集計するマクロでした。去年、誰かが頼まれて作ったものらしい。
このマクロを名人が知っていたかどうかは、分かりません。ただ、5分の電話で聞いていたら、出てこなかったかもしれない1本です。実物は、記憶より正直でした。
実物から拾ったつながりを、地図に置いてみます。
設定の読み上げと、接続の記録から拾った6つです。縦は、注文DBとのつながり方。横は、止まったら誰の目に触れるか。
項目を1つ選んでから、マスを押してください。
止まるのは上の2段。直接つながるものはすぐ止まり、間を通してつながるものは遅れる。FAXの注文と精算は止まらないので、お知らせに「そのあいだはFAXで」と書けました。
答えが出るまで、40分でした。注文DBが止まる1時間、取引先はアプリから注文できず、連携のバッチと集計のマクロは待たされ、営業所の出荷予定の画面は古いままになる。FAXの注文と、精算と、工場のラベルは止まらない。営業本部には、メンテナンスの日だけ、集計を1日ずらしてもらうことにしました。
名人に聞けば5分だった問いに、40分かかったことになります。その35分のあいだに、台帳には4行のつながりが書き足され、名人の記憶にもなかったかもしれない1本が見つかりました。
北関東営業所の事務の人に電話をかけ、来週1時間、と言いかけたところで、向こうが先に口を開きました。
「止まるなら、先に言ってほしいんです」
去年の夏にFAXの注文が消えたときも、この1月に注文アプリを公開した日も、最初に知らせてきたのは取引先だった。何かが止まるという話は、いつも遅れて届くものだと思っている声でした。だから、いま先に言っています。そう答えると、電話の向こうで短い笑い声がしました。
ホワイトボードの写真を台帳のつながりの欄に写し、窓口から8つの営業所にお知らせを出しました。「来週、注文アプリが1時間止まります。そのあいだのご注文はFAXで受けられます」。メンテナンスの日、窓口に届いた問い合わせは0件。営業所の記録には、取引先からのFAXの注文が、いつもより12枚多く残っていました。
台帳は、全部を書くほど頼れるものになるわけではありませんでした。使い道を「止めたら何が止まるか」に絞り、要るつながりだけを実物と照らして書けば、名人に聞かなくても答えは出る。書いた分は、信じられます。
目的:サービスを作る部品(構成品目)と、そのつながりについて、正確な情報を必要なときに使えるようにする
使い道を決めた分だけ、つながりを書く
1年目では 第4話 で出会ったしくみ。
紙の1行目は、8月末に60台のPCのリースが切れる、でした。
IT資産の台帳を開くと、去年、持ち主を書く決まりを作ってから名人がこつこつ埋めてきた欄に、60台ぶんの持ち主とリースの期限が、全部入っていました。けれど、新しいPCをいつ頼むかは、どこにも書いていない。
7月の終わりに販売店へ見積もりを頼むと、こう返ってきました。「いまの納期は8週間です。初期設定まで入れると、お届けは10月の頭になります」
リースが切れるのは、8月末。1か月足りません。
去年の記録を探すと、窓口の記録に名人の依頼が残っていました。日付は6月の頭。期限の3か月前です。その「3か月前」は名人の頭の中にあって、台帳にもカードにも書かれていなかった。
リース会社との窓口を預かっている総務の担当者に相談すると、最初に返ってきたのは日付の話でした。
「延ばすなら、今月中に言ってもらわないと」
去年までは、6月になると名人のほうから総務の席へ来て、今年はこれだけ返します、と言っていたそうです。総務の担当者もそれを待っていればよかったので、その3か月は、総務の予定表にも書かれていなかったわけです。
60台の一覧を構成の台帳と並べて見たのは中途のメンバーで、59台は本社と営業所の事務のPCでした。残る1台だけ、つながりの欄に「第一工場 検査の機械」と書いてある。育休の初日に「名人、いますか」と電話してきた設備の担当が、毎日使っているPCでした。
検査の機械を動かすソフトはそのPCにしか入っていないので、ほかの59台と同じ日に新しいPCと入れ替えれば、検査が止まる。この1台は、ほかと切り離して、機械のメーカーと入れ替えの段取りを組むことにしました。資産の台帳だけを見ていたら、59台と同じ箱で返していたはずの1台です。
段取りの相談に第一工場へ行くと、そのPCの画面の縁に、黄ばんだテープが貼ってありました。手書きで「さわる前に名人へ」。設備の担当は、少し気まずそうに笑いました。新しいリーダーはテープの上から新しいラベルを貼った。「このPCのことは窓口へ。台帳の番号は」と書いて、その下に番号を添えて。設備の担当は、新しいラベルを指でなぞってから、「名人が戻ってきたら、見せます」と言いました。
1台のPCが、この会社に来てから出ていくまで。名人の頭の中にあった順番を、台帳の言葉で並べ直します。
先にやるものから順に押してください。
一生の中で、決める日がいちばん忘れられやすい。持ち主と期限は台帳に書いてあっても、「いつ決めるか」は名人の頭の中にだけありました。
2か月の延長は総務の担当者が月内にリース会社と話をつけてくれて、新しいPCは10月の頭から届いた順に入れ替え、古いPCはデータを消した証明と一緒に返すことになりました。
管理本部には、なぜ延ばすのか、延ばすといくらかかるのか、返した場合と買い取った場合はどうなるのかを、1枚に並べて出しました。返事は1日で来た。「延長料で済むなら、それで」。比べる材料が1枚にそろっていると、お金を預かる席の判断は速くなります。
そのあとで、台帳に列を1つ足しています。「次の一手を決める日」。リースの期限の3か月前の日付で、その日が来ると窓口に知らせが出る。そうして、名人の頭の中にあった3か月が、台帳の1列になりました。
資産の台帳は、持ち主と期限が埋まっているだけでは足りませんでした。一生のどこで何を決めるか、その日付が入ってはじめて、名人のいない年にも次の一手が打てます。
目的:IT資産の一生(調達から廃棄まで)を管理し、価値・コスト・リスク・契約の遵守を支える
期限の3か月前に、次の一手を決める
1年目では 第4話 で出会ったしくみ。
メンテナンスが済んでから、後回しにしていた受け口の話に戻りました。
こういう調べものになると、中途のメンバーは速い。社内のサーバー、クラウドの土台、SaaSの契約を1枚に並べ、提供者ごとに、知らせがどこへ届いているかを確かめてきました。11ある提供者のうち4つの知らせが、名人の個人のアドレスに届いていた。登録したのは、名人自身です。契約したころの提供者の画面には、連絡先を1つしか入れる欄がなく、誰かが受けなければならなかった。受けていたのが、名人でした。
「本来は、提供者の知らせを個人のアドレスで受けるべきではありません」
今度は、新しいリーダーも同じ考えでした。「4つの側面で言うと、外の会社の欄と人の欄が、名人の受信箱1つで重なっていたんですね」。受け口は窓口の共有のアドレスに付け替え、ステータスページをのぞく役目は、名人の習慣から当番の仕事に移す。止まったときに誰が直すのかも、提供者ごとに書いておく。直すのが提供者でも、利用者に知らせて仕事を切り替えるのは、この会社の側です。
窓口の壁には、当番表が1枚増えました。当番の日のいちばん最初に開くのは、11の提供者のうち、止まると業務に響く5つのステータスページだけ。初回の当番を引き受けた隣の席のメンバーは、5つのページを開き終えるまでに3分かかった、と言っていました。
土台の一覧を1行ずつ作っていったとき、いちばん上に置いたのは、メンテナンスで止まったばかりの注文DBの行です。
いちばん上の行は、7月に止まった注文DB。提供者のデータベースのサービスに、自社の注文アプリのデータを置いています。
データベースのサービスそのものは、提供者が直す。止まっていることを営業所と取引先に知らせ、注文をFAXへ切り替えるのは、この会社の側の仕事。境目は、直す人と知らせる人に分けて書く。
個人のアドレスで受けると、その人が休んだ日に知らせが消える。受け口は窓口にして、見る役目は当番に付ける。
注文アプリは自社のアプリで、そのデータを提供者のデータベースの基盤に置いている。形によって、どこまでが提供者の持ち場かが変わる。
土台ごとの費用を同じ一覧で説明できると、増えたときに何が増えたのかが分かる。
11の提供者のうち、この形で1行ずつ書けたのは9つ。残りの2つは、契約書を探すところから始めることになりました。
8月の終わりに、その一覧が試されました。
窓口の共有のアドレスに、提供者から1通の知らせが届きました。データベースのサービスで障害が起きている。復旧の見込みは、まだ分からない。
当番だった隣の席のメンバーが知らせを読み上げたのと同時に、窓口の電話が鳴りました。新しいリーダーの手が、誰より早く受話器に伸びる。北関東営業所の事務の人でした。「取引先から、注文アプリが開かないって」
ホワイトボードの左の端を見ながら、答えました。止まっているのは注文アプリと、集計のマクロと、営業所の出荷予定の画面。精算と工場のラベルは動いている。注文は、FAXで受けられる。受話器の向こうで、FAXの受信の音が鳴り始めていました。
受話器を置いたときには、窓口からもう、同じ文面のお知らせが8つの営業所に出ていました。つながりを書いたあの週に、用意しておいた文面です。
中途のメンバーは、提供者の画面で復旧の見込みを確かめては、窓口の記録に1行ずつ書き足していきました。そのあいだ、「本来は」とは一度も言わなかった。
障害は2時間で戻りました。そのあいだ、取引先から営業所への電話は何本か鳴った。けれど、営業所の担当者は取引先より先に知っていて、答える言葉も手元にありました。
戻ったことを知らせる電話の最後に、北関東営業所の事務の人が言いました。「今日は、取引先より先に言えました」
その週、中途のメンバーの本に、付箋が1枚増えていました。構成管理の章のページで、付箋には小さな字で「使い道から」とだけ書いてある。
8月の最後の日、新しいリーダーはホワイトボードの前に立ちました。左の端には自分の描いたいびつな箱が、右半分には名人の箱が残っている。消そうと思えば、消していいことになっている箱です。しばらく眺めてから、右半分には手を付けませんでした。はがしておいた「消していいです」の付箋は、申し送りノートの、今月のページに貼りました。
2か月のあいだに、名人あての電話は11本、窓口の番号付きの記録になりました。カードは3枚増え、台帳には列が1つと、つながりの書かれた行が4つ増えた。名人には、一度も連絡していません。
外の会社の土台は、外の会社が直す。それでも、知らせを受けて、使う人に伝えるのはこちらの仕事でした。受け口を名人の受信箱から窓口へ移しただけで、名人のいない8月にも、営業所は取引先より先に知っていた。
目的:組織が使うインフラとプラットフォームを、外部の提供者の分も含めて監督する
外の会社の土台も、同じ1枚に載せる
1年目では 第4話 で出会ったしくみ。
名人に一度も連絡しないまま、8月が終わりました。台帳のつながりの欄は埋まり、リースは延び、提供者の知らせは窓口に届いている。3つの席に置いたしくみを見ます。
怖がっていたこと台帳に載っていない部品が、どこかで何かにつながったまま残っていること
怖がっていたこと期限の直前に延長の話が来て、リース会社との手続きが間に合わないこと
怖がっていたこと取引先から聞かされて、はじめて自分の会社の何かが止まったと知ること
部品のつながり、お金と一生、外の会社まで含めた土台。名人の頭の中で1つだったものが、3つのしくみに分かれて席に残りました。9月に名人が戻ってくる席にも、同じしくみが置いてあります。
番号と分類はITIL 4の並べ方です。ITIL 5の試験で押さえるのは「プラクティス=資源のまとまり」と2つのグループまで。
せきのこ ── 席のうしろの、小さな子たち
引き継ぎ資料の、管理プラクティスの章。台帳のページの余白に、新しいリーダーは7月の分を書き足し、8月の終わりにもう数行を足しました。
Q1. 「注文DBを止めたら何が止まるか」に答えるのに、名人の記憶に頼らず、接続先の設定と提供者の接続の記録を1つずつ開いて確かめた。主にどの従うべき原則にそった動きか。
B。現状からはじめるには、又聞きや記憶ではなく、今あるものを直接見て測ることが含まれます。実物を開いたから、記憶にはなかったかもしれない集計のマクロが見つかりました。全部の構成品目を一度にそろえず、使い道の分だけ書いたところには、シンプルにし、実践的にする、も効いています。
Q2. リースの切れる60台の代わりに、新しいPCを販売店に頼み、届いた順に受け取って使う人に割り当てる。ITILの8つのライフサイクル活動のどれにあたるか。
B。必要な物品や資源を、社内や供給者から手に入れて割り当てるのが取得です。成功は、手に入れた物品と資源の品質で測ります。何を満たすかを仕様にするのが設計、部品を組み立てて試すのが構築、動いているサービスを利用者が使える状態に保ち続けるのが提供です。